インストール先のOSにほとんど影響を与えずに "prefix" で指定されるディレクトリの配下に Gentoo Linux の互換環境を構築するプロジェクトです。Gentoo Linuxと「完全に同じ」にはなりませんが、手軽に Gentoo Linux の環境やソフトウェアを利用することができます。
特に Services for Unix では、openssh や xinetd など比較的新しいデーモン・サービスが用意されていなかったり、tar をはじめ搭載されているコマンドが古すぎてよく使うオプションが利用できなかったり、vimなど頻繁に使うコマンドやツールが用意されていません。デフォルトのままではソースコードからのビルドもできないことが多いのですが、Gentoo Prefix をインストールすることにより、かなりモダンな Linux 環境を手軽に再現することができ、多くのソフトウェアやサービス、新しいオプションを使用できることが魅力です。また、デフォルトでXFCEのウインドウ環境も用意されているとのことです。
Gentoo のパッケージ管理システムである Portage を利用してたくさんのソフトウェアをInterix上にインストールすることができるのも大きな魅力です。(※ Interix 上で Portage を利用する環境を構築するのは情報も少ないためなかなか難しそうです。)
Gentoo Prefix をインストールした WindowsXP へ ssh で接続
Gentoo Prefix をインストールした WindowsXP へ WinSCP (sftp) で接続
◆Gentoo Prefix をインストールすることですぐに利用できるサービス・ツール・コマンド・オプションの一覧
1000以上のコマンドがGentooにより移植されていますが、主要なものを紹介したいと思います。
◆移植されたコマンド
bash
openssh (scp sftp)
openssl
xinetd
rsync
ImageMagick (convert)
python
egrep
curl (HTTPS対応)
wget (HTTPS対応) |
bzip2
xz
vim
base64
uptime
which
chroot
cvs
git
svn |
※一部は動作未確認
◆バージョンアップ
perl
gcc
tar
ls
df
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version 5.12
version 4.24
zオプション - tar.gzなどの圧縮済みアーカイブを解凍
hオプション - 10G・100Kなどファイルサイズを見やすく表示)
hオプション - 10G・100Kなどパーティションサイズを見やすく表示) |
◆残念ながら動作しませんでした
emerge (Portageはまともに動作しませんでした)
XFCE4
(SFU3.5では動作しませんでした。xmessage not found)
bash や vim がすぐに使えるのはありがたいのではないでしょうか。
また、opensshがデフォルトでインストールされますので、WindowsXPに向けてSSHで接続することが可能となり、これも大きな機能強化と言えると思います。
デフォルトのopensslはInterixでは動作しないため、これまで openssl が必須のソフトウェアをSFU・SUAで利用することができませんでした。Gentoo により移植された Interix 向けの openssl を利用することで、インストールをあきらめていたソフトウェアをビルドすることができるかもしれません。
Gentoo のパッケージマネージメントシステムである Portage についてはさっと使ったところでは、どれもまともに動きませんでした。NetBSDの pkgsrc の方はいくつかビルドが通ったので、こちらも試してみると良いかもしれません。
ファイルサイズは大きいですが、ISOを用意し簡単にインストールすることができますので、SFUの機能を補間するためインストールすることを強くお勧めします。
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